ブランド馬鹿(1998.11)

高級ブランドはそのブランドに相応しい年令と人格が必要 周囲を見た判断ではなく自分自身の物差し 自社オリジナル商品以外は総べて下請け 自分が本当に気に入った商品を選び

ヨーロッパに買い物ツアーに出かけ、高額の有名ブランド商品をまとめ買いする若い女性がヨーロッパ人から馬鹿にされたり、顰蹙をかったりしている話を耳にする。

ヨーロッパ人達から見れば、そんな高級ブランドを身に付ける女性は、そのブランドに相応しい年令と人格が揃っていなければ意味がないと言いたい訳であろう。 人と身に付けるものとのバランスの問題である。 また、ブランドの本当の良さを理解して買っているのか、と言いたいのである。

彼女達は高級品に対する単なる憧れや、同僚が持っているから自分も、と言う対抗意識で買い物をしていないだろうか。 周囲を見て判断するのではなく、自分自身で判断出来る物差しを持たなければいけない。 単なる有名ブランド信仰や、周囲の人気ではなく、自分の選択目を磨かなければ本物とは言えない。

それにブランド商品であっても、そのブランドの本来の品目、例えばシャネルなら香水、グッチなら鞄とか、自社オリジナルで開発・製造している商品以外は、殆ど総べて下請けメーカーに作らせてブランド名を付けているだけだから、なおさら「見る目」が要求される。 それよりも、名前は有名でなくても自分が本当に気に入った商品を選び出すことこそ、嬉しさがあり、更に「見る目」も磨かれてくるのではないか。

日本では往々にして、日本人或いは日本製品が日本では認められず、外国で認められて初めて国内でも評価されると言うパターンがある。 これも日本人が独自の判断をしない(できない)悪例であろう。

本当の真実は何か、本当の価値は何か、自分独自の判断力を身に付けよう。